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根管治療4/6 根管洗浄 ラバーダムとマイクロスコープを必ず使います。

根管治療4/6 根管洗浄 ラバーダムとマイクロスコープを必ず使います。

根管洗浄

根管洗浄は、薬剤で、
  • 削りカスを除去
  • 根管内の菌を殺菌消毒
する事です。

いろんな方法があります。
しかし、この根管洗浄が、なかなか難しいのです。

根管形成だけできれいにできるのは30%

根管内を根管形成によって、汚染された根管内面を除去できる範囲は、
根面の30数%しかないそうで、
残りの根管内面、60数%は、汚染物が残っているという事なのです。

  • 根管の窪み
  • イスムス
など、
断面が丸い針金状のファイルが接触できない部分があるからです。

残りの部分は、根管洗浄によって、汚染物の溶解や洗浄、殺菌を行うしかありません。
いかに根管洗浄が大切かわかります。

また、根管の先端を35号から40号に拡大して、根管洗浄が充分行えるようです。

文献によると、
機械的、化学的根管洗浄を行うと、
感染根管のうち、50-70%程度の無菌化が得られ、
さらに水酸化カルシウムの1週間以上の貼薬により90-100%の無菌化が得られるそうです。

こういう情報を知っていると、
今行っている処置が、根管内の無菌化にどの程度貢献しているか、
理解しながら治療ができるのです。


洗浄針による根管洗浄

Dentsplyのクリーンウォッシングニードル30ゲージ(0.3mm)の一番細い洗浄針です。

30号以上に根管拡大されれば、
根管の先まで洗浄針が入るようになっています。

根管が弯曲していたりして、なかなか思い通りにいかない事も多いのですが・・・。

当院では、
根管の枝分かれ(側枝)まで洗浄したいので、
もっと高度な洗浄用具を用います。


針先の開孔部

先の穴は、
先端に開口しておらず、
先端わずか手前の横に開口しています。

根の先の組織の中に、消毒液を注入してはいけないから
色んな工夫があります。

薬液は、
先端方向には出ず、
横に出るようにという設計です。

また、
洗浄針の先端で、根尖側に蓋をすれば、
根の先(根尖)から、薬液が漏れる事はありません。



液の噴出方向

強く薬液を注入すると、
薬液は横に噴出するのではなく、前方に飛びます。

なかなか設計通りにいかないものですね。


液体の流れ

青い液の流れが、前方に向かっているのが分かります。
この様な使い方をしてはいけませんね。

根から洗浄液が顎骨内にもれると、
  • とても強い痛みが出たり、
  • ひどい皮下出血したりします
ので、要注意です。
あくまでゆっくりと扱うのがよいのでしょう。


洗浄効果のテスト

根管模型に、白い根管貼薬剤の水酸化カルシウム製剤を根管に満たし、
どの程度洗浄できるか試してみます。


洗浄針での根管洗浄

洗浄針に根管に沿ったカーブをつけ、
根の先端まで到達させます。
白い粉が少しづつ洗浄されています。


洗浄針での根管洗浄2

ほぼ洗浄されましたが、
先端部に白い貼薬剤がわずかに残っています。


洗浄針による根管洗浄3

洗浄針を根管内で前後に動かす事で洗浄液が動き、
先端まで洗浄されました。

この時、強く洗浄液を出してはいけませんね。



Piezo Flow(ピエゾフロー)による根管洗浄

Piezo Flow(ピエゾフロー)という洗浄器です。
洗浄液を出しながら超音波で根管を洗浄するものです。

作用が強いので、根管の75%以上奥には入れてはいけません。
根尖から液を押し出さないように注意します。


ピエゾフローによる根管洗浄2

あっという間に、白い貼薬剤は洗い流され、
根管内は洗浄されました。


Endo Activator(エンドアクチベーター)による根管洗浄

Endo Activator(エンドアクチベーター)という洗浄器です。
振動で根管を洗浄するものです。
洗浄液は出ません。


エンドアクチベーターによる根管洗浄2

根尖から洗浄液を押し出す事はなく安全です。
洗浄シリンジと併用しないと単独では無理です。
時間がかかりました。


Endo Vac2(エンドバックツー)による根管洗浄

超音波で振動させながら、吸引するものです。
吸引針が細くて、すぐ詰まって使えなくなります。

Endo Vac2(エンドバックツー)のマイクロカニューラは、
吸引口が小さくCa(OH)2粉の吸引には適しません。

使用例のみ記載します。
右のシリンジから洗浄液が出て、左のマクロカニューラで吸引します。


エンドバック2による根管洗浄2

さらに根管の奥は、
0.32mmのマイクロカニューラで根管内を吸引します。
液を押し出す事はなく、安全です。
 

通常の洗浄針

普通は太い洗浄針(ブラント針など)がよくあります。

これで根管内に洗浄液を注入します。
針先より奥の根管は洗浄されず、切削片や汚染物が残りそうです。

また、
根尖方向に直に洗浄液が出ますので、
丁寧に扱わないと根管外に洗浄液が出る危険があります。


通常の洗浄針2

根管先端部のカーブした所には、洗浄針が届いていません。
根管のカーブに沿って、曲げなければいけませんね。

洗浄液は何をどう使うか。

私達が学生の頃に習った洗浄法は、

  • H2O2(過酸化水素)と
  • NaOCl(次亜塩素酸ナトリウム)
により、
根管内を交互に洗浄していましたが、すでに過去のものです。

現在の洗浄方法では

  • 17% EDTA(イーディーティーエー) と
  • 数%の NaOCl 
による洗浄が効果的と言われています。

一律に~%がよいというのではなく、
  • 先生の考え、
  • 洗浄器具や
  • 洗浄時間など、
  • 色んな要素
で変わってくると思います。

一般的に化学反応は、

  • 温度が高く、
  • 攪拌した方が
よく反応します。

根管洗浄の場合も、
  • 消毒薬の温度を60度程度に加温し、
  • 超音波や振動などで薬液を攪拌します。

よりよい根管洗浄のためには、
Piezo Flow(ピエゾフロー)や
Endo Activator(エンドアクチベーター)

などの使用が望まれます。
これらの機械類は、新しいものがドンドン開発されます。
その時に応じて、使っていきます。

効果的に洗浄するための根管形成は、
直径が一定の平行なパイプ状の根管形成では効果的な洗浄はできず、
漏斗のような、先が細く入り口が太いという、数%のテーパー状に形成する必要があります。
適切なテーパーに形成する器具を用います。

細菌を露出させ消毒します。

象牙質は直径0.8-2.2μmの管(象牙細管)が全層を貫いています。
根管内にいた菌が象牙細管に侵入しているので、この菌を除去しなければなりません。

根管形成で削り取られるとよいのですが、
前述のように根管形成できる面は30数%ですので、
細管内に残っている菌も多くあります。

さらに、
象牙質表面は、根管形成時の削りかす(スメアー層)が堆積しており、
象牙細管に蓋をして、細管内の消毒を妨害しています。

象牙細管内を消毒するには、
  • スメアー層を溶解する薬液(17%EDTA)で、象牙細管を開口させ、
  • 象牙細管内に消毒剤(6% NaOCl )を作用させる
必要があります。

根管洗浄が重要視されるのはこのためです。

その他、注意

根管内に挿入するニッケルチタンファイル(湾曲した根管にもよく追従する柔軟なワイヤー状の器具)は、
NaOCl で腐食されやすく、
破折の危険が高まりますので注意が必要です。

根管治療は洗浄体制の整った医院で

エンドバックやピエゾフローなどの、
海外の高価な洗浄専用器具が必要で、当院ではすでに導入済みです。

この様な器具は入手しにくく、
1人1セットの使用なので、
よほど根管治療に力を入れている医院でないと、そう簡単には導入できないと思います。

受診の際は、
ちゃんと根管洗浄できる医院を選ばないといけませんね。

根管治療にはラバーダムは必須ですから、
ラバーをしてくれるかどうかで最低限の見分けはできると思います。

細菌培養

根管充填前に、
根管内に菌がいない事を、根管内細菌検査(菌の培養)で確かめます。

菌の培養は、
根管内を洗浄後、
無菌の紙片に根管内液を浸み込ませ、
37度で培養し、
菌が見られるかどうかで、判定します。

根管充填の時期の判定は、

通常は、
  • ファイルによる根管壁の切削片が、汚れた色から白くなり、
  • 根管洗浄が終わったら、
根管充填に移る医院が多いのです。

しかし、この方法では、
菌を培養しないため、無菌であるか確かめられないと思われます。

さらに、
根管治療が失敗すると、
冠などを壊して、再度、根管治療しないといけません。

このため、
根管内が無菌であるかの判定はとても重要だと思われます。

以上の様に、
当院では、念を入れて、
細菌培養(S培)による根管充填の時期を判定しています。
(S培は煩雑で費用も多少かかるので、通常は、行っている歯科医院は少ないと思われます)

根管貼薬で菌の消毒

根管貼薬とは、
消毒薬を根管内に1週間程度入れる事で、根管内を殺菌消毒する事です。 

感染根管治療だと数回根管貼薬をする事があります。

根管内に挿入された、白い根管貼薬剤(水酸化カルシウム製剤)

薬剤としてはCa(OH)2が主に使われています。
強アルカリで殺菌するものです。

難治性根尖性歯周炎では、
根管内に生き残っているという E faecalis はアルカリに強く、Ca(OH)2が効きません。

  • 加温した5.25%NaOClの長時間洗浄や、
  • Ca(OH)2とある薬剤を混和して貼薬する
と排除できたとする報告があり、根管洗浄や貼薬の重要性が再認識されます。
難治性の場合は、特別の配慮が必要です。

仮封

次回までの蓋です。

仮封は菌の漏洩がないよう、緊密性が必要です。

よく使われるのは、ピンクのゴム
数時間で、唾液が根管の中に入っていくそうです。

ストッピング(ゴム)の厚みを3.5mm確保しても、
2週間以上すると漏洩するそうです。

つまり、
仮封のまま2週間経過した場合は、
根管治療のやり直しが必要かもしれないという事です。

それほどシビアに根管治療を考える必要があるという事です。

根管治療の時、ピンクや黄色、白のゴムが使ってあると、漏れが生じているかもしれません。

仮封は厳重なダブルシール、3重のシール

仮封とは、根管治療後にする歯の蓋の事。

唾液中の菌が歯の内部に入らないようにするためです。

歯の中に薬剤を入れ、
  • ストッピング
  • セメント等
で二重仮封(ダブルシール)が必要と言われています。

当院では、
  • ストッピング
  • セメント
  • 仮歯の、
3重の仮封を多用しています。

厳重な仮封がされないと、仮封材周囲から、菌が侵入します。
ストッピングのみのシングルシールで済ますようでは、全く信用なりません。
さらに、セメント類は3mmの厚さが必要と言われています。

歯冠部の歯質が残っていないケースでは、
セメント仮封のための縦径がいりますので、隔壁が必要となります。

仮封時、綿繊維に注意

仮封時に綿球や綿栓をよく使われます。

しかし、
細ーい綿繊維が数本、仮封からはみ出してはいけないそうです。

繊維を歯質と仮封材の間にはさむと、
あっという間に繊維を伝って漏洩が起こり菌が侵入し、
せっかく消毒した根管内が汚染されます。

ですから、当院では、根管治療時に、綿花は使いません。


この例の
年代・性別   40代女性
治療法     根管治療
デメリット   時間がかかる
治療時間 回数 2時間1回 × 必要回数分
費用      60,500   × 必要回数分


根管治療
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セラミック冠
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の費用が必要となる事があります。


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