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もし歯痛で、”市販”の痛み止めを買うなら


ジクロフェナク 小さい錠剤

もし歯痛で、”市販”の痛み止めを買うなら 価格

イブプロフェン製剤

1500円84錠入り 1錠約18円

ロキソプロフェン製剤

600円程度12錠入り 1錠約50円

イブプロフェンも、ロキソプロフェンも、効きめは同等です

*自己責任でお飲み下さいませ

歯が痛い時には、まず冷やし、痛み止め

炎症で痛い、すぐ病院を受診できないなら、冷やして、市販の痛み止めを飲みましょう
重症度や体質によって、効き目に差がでます。


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鎮痛剤の効き目 比較

上が、効果が強い
ロルノキシカム
処方薬
インドメタシン
処方薬
=ジクロフェナクナトリウム
=メフェナム酸
ロキソプロフェン
=イブプロフェン
市販薬あり
アセチルサリチル酸
≒アセトアミノフェン
市販薬あり

子供に大人用鎮痛剤を飲ませると、急性脳症の危険が!

子供がもしもウイルス性疾患にかかっていた時、誤った解熱性鎮痛薬、消炎鎮痛薬を投与すると、ライ症候群という致死率の高い病気を発症したり、急性脳症を増悪させたりする事があります。
ですから、解熱性鎮痛薬は、下記の様に、大人用と子供用では成分が違います。
大人用解熱性鎮痛薬を、小さく割って飲ませる様な事はやめましょう。

ライ症候群

ライ症候群とは、インフルエンザや水痘などのウイルス性疾患後、激しい嘔吐、意識障害、急性脳症、肝臓他諸臓器の脂肪沈着等を引き起こし、最悪の場合、死亡するという病気です。

小児に使う解熱性鎮痛剤、使わない解熱性鎮痛剤

日本では、15歳未満の小児のインフルエンザや水痘に伴う発熱に対し、解熱などの目的で、アスピリン、アスピリン・アスコルビン酸、アスピリン・ダイアルミネート、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、エテンザミド、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウムなどを、原則として、投与しないことになっています。
小児には、解熱剤として、アセトアミノフェン(製品名:アンヒバ座薬、アルピニー座薬、ピリナジン、カロナール、ナパなど)を最小限使用する事が重要です。
このように、大人の解熱性鎮痛薬剤・消炎鎮痛剤(下で説明するNSAIDs)を、小児の熱性疾患時に投与する事は、非常に危険です。
大事なお子様に何かあっては大変ですから、素人判断しないで、「念のため」専門家に聞いてみるという事は、すごく大切ですね。

当院でお出しする消炎鎮痛剤

当院では、鎮痛剤として

  1. ジクロフェナクの後発品
  2. イブプロフェンの後発品
  3. アセトアミノフェン

大人には、「ジクロフェナクの後発品」を主にお出ししています。
小粒で飲みやすく、”とても”良く効く、消炎鎮痛剤です。

剤形も飲みやすさに、大きく関係する

剤形には、錠剤、カプセル、粉、液体などがあります。
強い効き目の鎮痛剤は、
インドメタシンは、カプセルが多く、
メフェナム酸は散剤。
その他の痛み止めは、錠剤が多い剤形です。


ロキソプロフェンは、国産なので使いたい。が、大きい。
トローチ位の大きさで、飲みにくい。

ジクロフェナクは、錠剤が5mm程度と小さく、とても飲みやすい。
服用なさった方は、
「こんなに小さいのに、良く効くねー!」
後発品も、効き目に問題を感じたことはありません。

こんじすい

飲み薬ではなく、虫歯の穴に塗る薬です。
フェノールの疼痛性知覚麻痺作用を利用したものですが、キャンフェニック処方(カンフル・フェノール・アルコールに配分)といって、フェノールの腐食作用を、カンフルと合剤にする事により、弱めたものです。
虫歯に塗布した時、有効率は90.4%、2分以内に鎮痛効果があらわれるそうです。
上記は2010年12月の資料です。服用の際は、実物の説明書きをよくお確かめ下さい。

せーろがん

飲むのではなく、虫歯の穴に薬をつめるのです。
グアヤコール、クレゾール、フェノールなどの混合物で、「むし歯痛には、1~1/2粒を歯窩(むし歯の穴)につめてください。」と説明書きに書いてあります。
上記は2010年12月の資料です。服用の際は、実物の説明書きをよくお確かめ下さい。

痛み止めの分類

NSAIDs

鎮痛薬は、アセトアミノフェン、NSAIDs、麻薬などに分類されます。
一般的に使われる鎮痛剤は、「NSAIDs」=「エヌセイズ」と呼ばれ、分類は、非ステロイド性抗炎症薬となります。
NSAIDs=Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs
抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を持ちます。
以下に、消炎鎮痛剤の分類・薬剤一般名・特徴を示します。

酸性NSAIDs

  • カルボン酸 サリチル酸
    • アセチルサリチル酸(アスピリン)、サリチル酸ナトリウム  血小板凝集抑制作用や中枢性鎮痛作用有する
  • アリール酢酸
    • インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム  効果比較的強い、作用の発現早い
  • プロピオン酸
    • イブプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェン  消炎、鎮痛、解熱作用を平均的に有し、副作用少ない
  • フェナム酸
    • メフェナム酸、トルフェナム酸  鎮痛作用比較的強い
  • エノール酸
    • ピラゾロン  ケトフェニルブタゾン、クロフェゾン  作用時間長い、尿酸排泄能に優れる(痛風の疼痛に良い)
  • オキシカム
    • ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム  作用時間(血中半減期)長い

塩基性NSAIDs、非酸性

エピリゾール、チアラミド、エモルファゾン  抗リウマチ作用弱い、鎮痛作用も強くない
NSAIDsの分類(参考文献 今日の治療薬)

アセトアミノフェン


アセトアミノフェンは、抗炎症作用をほとんど持たないため、厳密な意味でのNSAIDsには分類されません。
通常の用量では、比較的安全に用いることのできる薬です。
アスピリン等のNSAIDsを、インフルエンザや水痘に罹患した際に、解熱剤として使用すると、ライ症候群の発症率が高くなることが知られており、最近は、解熱・鎮痛目的の市販薬に、アスピリンの変わりに、アセトアミノフェン(acetaminophen)が使用されていることが多くなっています。
また、アスピリン喘息では、他のNSAIDsでもアレルギー反応が起きる事が多いのですが、アセトアミノフェンは比較的安全に使える事があります。

アスピリンはピリン系ではありません

アスピリンはサリチル酸系消炎鎮痛剤

ピリン系消炎鎮痛剤ではありません。
酸性NSAIDsで、一般名アセチルサリチル酸。
アスピリンはバイエル社の商品名です。

アスピリン。名前の由来。

その名前は、アセチル化の“A” スピールなんとかという薬草の名前“spirae” 薬によく使われる接尾語“イン”をつなげたもの。
ピリンという文字が名前に入っていますが、ピリン系ではありません。

ピリン系薬剤の名前の由来。

一方、ピリン系消炎鎮痛剤はアンチピリンに代表されます。
その名前はその薬理作用に基づいて名付けられています。
antipyrine=anti+pyretica(発熱)+in
アスピリンもアンチピリンもピリンという言葉が入っているが、化学的には異なるものである。だそうです。
(参照:梅津剛吉著:医薬品と処方と調剤より)

鎮痛剤の作用の仕組み

NSAIDsは、特に、疼痛や腫脹や発熱を引き起こす、プロスタグランジン(PG)合成阻害により、鎮痛作用を示します。
どういう事かというと、怪我などにより、知覚神経が直接刺激される痛みは即時的な痛みです。
それとは異なり、組織損傷により産生される成分、PGによる痛みというのがあります。
PGによる痛みは、PGが合成される時間分、遅延した痛みです。
この痛みに、NSAIDsが鎮痛作用を示すのです。
組織損傷は、細胞膜ホスホリパーゼA2を活性化させ、アラキドン酸を遊離します。
アラキドン酸は、アラキドン酸カスケードにより、シクロオキシゲナーゼ(COX)で代謝され、PGが合成されます。
PGの一種、PGE2は、炎症を促進し、疼痛や、発熱などを引き起こします。
詳しくは、PGE2、PGI2は、ブラジキニンの血管拡張作用を増強し、発赤、炎症を引き起こします。
また、発痛物質のブラジキニンが、B2受容体に結合すると、痛みが感知されますが、
PGE2、PGE1、PGI2は、発痛増強物質であり、痛覚閾値を低下させ、ブラジキニンによる痛みを強めます。
一方、PGE2は、視床下部の体温調節中枢に作用して、発熱が起こります。
他方、アラキドン酸がリポキシゲナーゼで合成される、ロイコトリエンB4(LTB4)は、ブラジキニンの発痛作用を増強します。
つまり、PGは発痛物質の中間代謝成分であり、
消炎鎮痛剤であるNSAIDsにより、PGの合成が阻害され、
鎮痛作用、抗炎症作用、解熱作用を示す事になるのです。

こんな消炎鎮痛剤薬は使いやすい

  • イブプロフェンは子供さんにも鎮痛剤としての適用があります。

これは、鎮痛剤をお出しする立場にとっては、とてもありがたい適用です。
他の鎮痛剤は、多くの場合、小児の安全は確立されていないので、慎重に投与する様にという注意書きがあります。
子供さんには、慎重に投与するのは当然なのですが、何かあった場合に、子供さんへの適用がない鎮痛薬を用いていた場合、なぜイブプロフェンを選択しなかったのかという明確な理由がないと、医療機関は困ったことになります。
また、小さな子供さんには1錠程度、大きな子供さんには2錠程度という、簡単な用法なので、非常に使いやすくなっています。

メフェナム酸も、子供さんに適用がありますが、初回が通常の倍量、その後は、半分量にしてという変則的な用法です。
体重によって、細かく用量を指定して調剤するには、よい消炎鎮痛剤だと思います。
散剤なので、調剤薬局さんに、調剤してもらわないといけません。
自由診療で、医院に備え付けておくという事が、難しい消炎鎮痛薬ですね。



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この記事を書いた人

亀田 浩司

医)アルパーク歯科・矯正・栄養クリニック 理事長

自由診療専門歴約20年の歯科医。
長崎大学歯学部卒業、広島大学歯学部付属病院をへて、アルパーク歯科開業。
より良い歯科医療に携わりたく、自由診療専門に転換し、歯科医5人まで拡大。
その後、内容の深さを重視する診療に転換し、患者数1日2人にする。
一般的な歯科治療に満足できない患者さんが来院している。
目標「あなたもできる20年虫歯なし」
そのために大切な事3つ。1、ホリスティック(全人的)な対応。2、精密で長持ちする治療。3、楽な治療(痛みを感じず、寝る事ができる)。
特に大切にしているのは、ホリスティックな対応。1、患者さんの心配を解消し、前に進む勇気を得る。2、歯の問題を学びとし、心をセルフケアする。3、よりハッピーな人生になる。

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