拡大して詳しく見る事ができる
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01肉眼の見え方
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02顕微鏡=マイクロスコープの21.3倍
詰め物の縁が欠けたり、隙間があいているのが、はっきり分かります。
目の最小識別能力(裸眼)は、0.2mmだそうです。
顕微鏡では20倍の0.01mmを識別できる可能性があり、
治療精度が飛躍的に高まる訳です。
治療の難しかった場所まで、確実に治療できます。
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01歯ブラシの肉眼像
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02歯ブラシのマイクロスコープ像
普通の歯ブラシもこんなに拡大されます。
探針という器具の先端で、1本の毛先を扱う事もできます。
これだけ拡大して見る事ができれば、精密な治療ができますよね。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)のメリット2
隣の歯が傷つくのを防げます
虫歯の穴(窩洞)を削っている所です。(模型です)
うかつに操作すると、隣の歯を傷つけます。
矢印の先、傷ついた隣の歯です。わかりやすい様に着色しています。
こんな傷がついたのでは、将来、虫歯になってしまいます。
マイクロスコープを使うと、よく見えるので、切削器具が、隣の歯を傷つけるのを防げます。
さらに工夫して、
上の様に、隣の歯との間に保護鉄板を入れ、
歯を削る道具が、隣の歯に当たらない様にします。
よく見えるマイクロスコープでも、この様な用心をするのです。
もし、歯医者さんで治療する時、
肉眼の治療で、隣の歯が鉄板などで保護されていなければ、
隣の歯に傷がつかないか、なんとなく不安ですね。
傷ついた隣の歯の実例
信じられないかも知れませんが、肉眼での治療では、上の様な事はよくあるのです。
実際の歯をお見せしましょう。
歯周病などで、抜歯になった歯です。
矢印の先を、ご覧ください。
銀歯の歯と歯の間の部分です。
詰め物の銀歯に、傷があるのが分かります。
この歯がまだお口の中に生えていた時、
どこかの歯医者さんで、隣の歯の虫歯を削った際にできた傷でしょう。
もしこれが健康な歯だったら、将来の虫歯ができるのではないでしょうか?
こんな事も、虫歯が止まらない原因の一つです。
次も、歯周病で抜歯になってしまった歯です。
矢印の先をご覧ください。この歯も、傷がついています。
肉眼での治療は、
見えにくいため、手の感覚だけで治療する事もありますから、この様な事が起きてしまうのです。
マイクロスコープによる、精密歯科治療が必要な事を
お分かりいただけたと思います。
自分の歯は、自分で守るしかありません。
色んな事を勉強なさって、受診の参考にしてください。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)のメリット3
歯を削る器具でできる、傷の程度が分かる
歯を削る器具でできる、傷の程度が分かる
歯を削る道具に、ダイヤモンドポイント、カーバイドバーという物があります。
ダイヤモンドポイントとカーバイドバー
長さ1cm程度の歯科用切削器具です。
左、ダイヤモンドポイント 荒
中央、ダイヤモンドポイント 中
右、カーバイドバー 刃物
先の削れる所を拡大して見ますと、
左が荒い、中央は細かい、右は刃があるという事がわかります。
では、これらの器具で歯を削るとどうなるでしょう?
歯の削除
歯を削る道具(ハンドピース)に、ダイヤモンドポイントを装着し、模型の歯を削ってみます。
分かりやすい様に、削った傷に色をつけています。
左ダイヤモンドポイント(荒)による大きな傷
荒いポイントで削ると、こんなに傷がついています。
こんな傷が歯にあると、
ここにバイ菌がたまり、虫歯になりかねません。
中央ダイヤモンドポイント(中)による傷
細かいポイントでも、こんな傷がつきます。
右カーバイドバー(刃物)は傷がありません。
カーバイドバーという刃物ですと、この様になめらかです。
なめらかという事は、
型をとると、詰め物が合いやすい。
口内に露出している部分なら、
歯ブラシをすると、バイ菌が落ちやすいという事です。
カーバイドバーだけが正解という意味ではありません。
分かりやすいので、例示しただけです。
ダイヤモンドバーでも上の様な弱点をカバーする使い方ができます。
以上をどう治療に生かすか?というのが以下になります。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)のメリット4
歯の縁をなめらかに整えられ、詰め物がピッタリ合いやすくなる
次は、適合の良い詰め物のために、削った歯の縁をなめらかにするというお話です。
荒い切削器具を使うと、削った表面はガタガタになり、詰め物がピッタリと合いません。
実際の治療を見てみましょう。よくある銀歯です。これを除去します。
何ともないような銀歯ですが、外すと、たいてい虫歯になっています。
詰め物の縁の、わずかなエラーがあるのです。
そこから、虫歯が容赦なく発生してきます。
修復治療には必須のラバーダムがしてあります。
細かいダイヤモンドポイントで、虫歯を除去します。
歯の辺縁を、なめらかな曲面に整えます。
こんなに拡大して見ますので、隣の歯を傷つける事は、ほぼありません。
今回は、隣の歯を守る鉄板は、使っていません。次回治療予定だからです。
歯の縁が、きれいに整えられている事がわかります。
ダイヤモンドポイントで発生しがちな、傷がありません。
この様に、なめらかな辺縁ですと、詰め物もピッタリ適合しやすいでしょう。
こういう治療が、マイクロスコープを常時使う、精密歯科治療だと思いませんか?
ご自身が、どういう治療を受けたいのか?
よく勉強なさってください。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)のメリット5
倍率が高い
4倍程度から20数倍まで、拡大できます。
以下、実例です。
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014倍
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026倍
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038倍
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0413倍
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0521倍
歯科用顕微鏡、マイクロスコープとは、こんな大きな装置です。
メガネのような拡大鏡(ルーペ)とは違います。
マイクロスコープは、ルーペより拡大率が大きくできます。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使うメリットのまとめ
マイクロスコープで治療するメリットは、きりがありません。
拡大するので、大きく見える
虫歯治療の際、隣の歯が傷つくのを防げる
細かい虫歯がわかる
虫歯を除去できたかわかる
詰め物がよく適合する様に、虫歯の辺縁をなめらかに整えられる
詰め物の縁が、きれいに封鎖できたかわかる
エラーがよくわかるので、どういう材料を使えばうまくいくかわかる
などなど、数えればきりがありません。
マイクロスコープは私の「目」です。こんなに良く見える「目」を得て、とても喜んでいます。
マイクロスコープで、常時見て治療するという事は、治療のグレードが何段階も上がったに等しいのです。
患者さんには、精密な治療の結果、歯が長持ちするという、直接的なメリットがあります。
歯の治療中ずっと顕微鏡で治療手技を見ており、
肉眼で見えない事を経験しますから、
治療を進化させていく事ができます。