Root canal treatment
根管治療

ラバーダム防湿とマイクロスコープを必ず使います
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根管治療は、「掃除して詰める」と考えると、非常にシンプルです。
  • 01
  • 根管治療の流れ

根管を掃除

土台を固める

単純な4段階ですが、
これが、以下の様な障害で難しくなるのです。

やさしいとは、こういう事

根管が
・1本で、
・まっすぐで、
・太い
ときは、やさしい治療になります。

上大臼歯の内側の根(口蓋根)などです。
やさしい治療でも、ラバーダム防湿とマイクロスコープ(顕微鏡)は、
必ず使った方がいいと思います。

以下、比較的、難しい根管治療です

難しい治療は、ラバーダム防湿とマイクロスコープ(顕微鏡)が必須と思います。
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  • 02
  • 難しい根管治療 見えにくい、器具が入らない

見えないので、難しい

見えにくい。こんな単純な事で、治療が難しくなります。

根管を見つけられず、治療されていないケース。

赤矢印の先に、未治療の根管(MBⅡ)の入り口(根管口)が、黒く見えます。
MB根管は治療してあります。

矢印の位置に、MBⅡ根管がある事は、歯科医なら知っている事でしょう。
それで治療してないという事は、よほど見えなかったのでしょうね。

上大臼歯は、3つの根があります。
・MB根 外側手前 近心頬側根 根管は2本 MB根管 MBⅡ根管
・D根  外側後ろ 遠心頬側根 根管は1本
・P根  内側 口蓋根 根管は1本
の根です。
MB根、外側で手前側の根(近心頬側根)には、根管が2つあります。
MB根管と、MBⅡ根管と呼ばれています。

器具が入らないので、難しい

器具が入りにくく、根管を探しているうちに、歯に穴が開いてしまったケース。
これはMBⅡ根管を治療して、MB根管が手つかずという珍しいケースです。
赤矢印がMB根管。
青矢印がMBⅡ根管
黄矢印は誤って開いた穴(穿孔)がふさいである所。

MB根管に器具が入りにくかったのでしょう。
ドリルで削りながら、根管を探していたのですが、
器具を入れにくく、変な角度でやっているうちに、
違う場所を削りすぎて、穴が開いてしまったと思われます。
そのためMBの治療をあきらめたのかもしれません。
MBⅡはきちんと治療してありますから、一生懸命治療してくれていると思います。

マイクロスコープで見ると、この様にはっきり見えますから、
マイクロスコープを使えば、治療時のトラブルの多くを、避けることができるのではないでしょうか。

前歯でも見えにくい事があり、難しい

上図は、前歯の模式図です。
根管は1本で、まっすぐで、太く、簡単そうですが、
根の先まで、見えにくい時があります。

前歯は、歯の裏側に穴を開けます。
前歯は、歯の外側を削れないためです。

治療では、裏側から斜めにのぞき込む形になり、
根の先まで、一直線に見えないのです。

根管に枝分かれがあり、難しい

根管の枝分かれを、側枝といいます。
赤矢印の先に、黒い部分があります。化膿病変です。
黒い部分が、根の横にあるのが分かります。
側枝と呼ばれる、根管の枝に、バイ菌が残っているのではないか?
細い枝分かれまで、ちゃんと消毒できるのか?
という事で、難しい治療かもという事になります。
通常、根の先の化膿は、この様に根の先にある事が多いのです。
タンパクを溶かす薬で、根の中をよく洗浄し、根管充填したものです。
赤矢印の先。歯の横に向かって、根管充填されているのが分かります。

根管の細い枝分かれにも、根管充填できたのが分かり、一安心という事になります。
この様にしても、側枝が消毒されたかどうかは、分からないと思います。
でも、根管充填されれば、この化膿病変は治っていくと思います。

側枝は細くて、CTを使っても、なかなか見えません。
どこに問題があるかは、病変の広がり具合などから、判断するしかありません。

ラバーダムがかけにくいと、難しい

「ラバーダム防湿をしないと、根管治療の成功率が下がる」というのは、歯科の常識だと思います。
何とかして、ラバーダム防湿ができるようにしなければなりません。
ラバーダムとは、歯にかぶせるゴムシートです。
この様に、
・歯茎の中だけしか歯が残っていない
・歯の端が薄くなっている
ような場合は、ラバーダムがかけられません。
なぜラバーダムがかけられないのか?
ラバーダムは、この様な金具(ラバーダムクランプ)で歯に固定します。
・歯茎の中にしか歯がない場合は、クランプでつかめません。
・歯の端が薄いと、歯が割れます。
このクランプは、かなりの力で歯をはさむからです。
まず、
・壁を作り、歯の周囲と歯茎の上に伸ばし、
・歯を補強し、
・唾液を壁でさえぎり、歯の中に入らない様にします。
・コンポジットレジンなどで作ります。
これで、ラバーダムクランプで歯をはさめる様になりました。
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  • 03
  • 根管拡大ステップ

曲がっていて、先が見えない

根の先端が見えません。
・汚れがどこにあるのか?
・掃除はきれいにできたか?
など、目で見て確かめる事はできません。
手探りで治療するしかありません。
根の先を見ようとすると、こんな方向から見る事になります。
この様に、歯の横に穴をあける事はできませんから、根の先を見ることはできません。

こういう根は、根管治療が難しくなります。
・上大臼歯の外側で手前の根(近心頬側根)、
・下大臼歯の手前の根(近心根)
などです。

閉鎖

根の中が、硬く閉鎖している事もあります。
原因は、石灰化や、神経のタンパクが固まっているためと思われます。
治療の器具が、奥に進めませんから、治療が非常に難しくなります。

穿孔

根の横の壁に穴が開いているケース。
前の先生が、一生懸命やりすぎて、横の壁を削りすぎた場合です。
これを穿孔といい、化膿が止まらない事があります。
よく消毒し、MTAという薬で穴をふさぎます。
比較的難しい治療になります。

ステップ

前の先生が、一生懸命にやりすぎて、根の奥に階段状の段ができているケース。
この段に器具の先端がひっかかり、奥に進めない事があります。
器具の先端を曲げて、根管に通そうと試みます。
こんな時も、治療が難しくなります。

その他

1本の根に複数の根管があるときや、
根管の形が複雑な時(イスムスなどと呼ばれる)も、根管治療が難しくなります。

以下、難しい治療の要因を挙げています。
こういう障害を、なんとかクリアして、根管治療を成功させたいものです。

根管拡大でも、ラバーダム防湿とマイクロスコープ(顕微鏡)は必ず使い、上記のトラブルを避けるようにしています。
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  • 04
  • 根管消毒ステップ

ベーパーロック

根管内を洗浄する時、洗浄液が根の先まで入るとは限らないのです。
根の先に空気がたまっていると、そこは消毒できず、菌が残る事になります。
こんな事が、治療の成功に大きく影響してきます。

象牙細管の蓋

根管の内側には、細い穴(象牙細管)があります。
直径は3-6μ程度。場所により違います。
1μ程度の細菌もいますから、象牙細管の中に菌が入るという事なのです。
根管拡大で根管内を削った時、削りカスで象牙細管の入り口がふさがれるそうです。
この削りカスの蓋を取らないと、細管内の細菌は消毒できないのです。
これは、超音波振動で取り除いたり、薬液で溶かしたりします。
この操作をきちんとしないと、根の中にバイ菌が残ってしまいます。

難消毒性の細菌の定着

ある種の細菌は、消毒液を使っても、生き残るそうです。
複数の消毒剤を使って、できるだけ菌を消毒したいものです。

除去できない根管充填剤が残り、その裏に菌がいる

根の外面への膿石の付着、取れない

根管外に出た根管充填物、取れない

仮封から浸み込み

体の抵抗性

以上の様に、根管消毒でも、ラバーダム防湿とマイクロスコープ(顕微鏡)は必ず使い、
上記のトラブルを避けるようにしています。
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  • 05
  • 根管充填ステップ

根尖孔の破壊

根管長のまちがい

根の長さを間違えると、根の先の穴(根尖孔)が大きくなります。
大きな穴は、密封がしにくくなり、治る確率が低くなります。
こういう事も、よく見られます。

根の先が溶けた

根の先の炎症が大きいと、根の先が溶けている事があります。
すると、根管がむき出しになり、根の先に大きな穴が開いている事になります。

側枝、根先分岐 横に病変があると難しい

側枝の掃除ができたか、分からない

薬剤への反応、アレルギーがある

市販のある根管充填剤で、根の先の骨が大量に溶けたことがあります。
根管充填剤を除去すると、骨は治りました。
その薬は使いません。

上の様に、根管充填でも、ラバーダム防湿とマイクロスコープ(顕微鏡)は必ず使い、
上記のトラブルを避けるようにしています。
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  • 06
  • 根の悩みと、心理的トラウマ

慢性痛は、人生を損ないます

イライラする

今後どうなるんだろうと落ち込む

いつも、歯が気になる

常に気になって、ふさぎ込む

気分が不安定で、日常生活や対人関係に、差支える

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  • 07
  • 思わぬ良い事もある
根管治療をしていると、頭痛が治った! という事を経験します。
よかったですね。
逆に言えば、根管が原因なら、
脳外科などで、頭痛の治療をしても治らないだろうという事です。

頭痛の方で、根管治療に問題がある方は、根管治療にトライしてみるのもいいかもしれません。
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  • 08
  • 治療後の歯を、長持ちさせるには、枝をイメージ
根管治療後の歯は、生きていません。
神経がないからです。
上は、枯れ枝です。
根管治療後の歯は、枯れ枝と同じです。
力をかけて曲げようとすると、ポキンと折れます。
こういう生きた枝は、
曲げても、ミシミシと曲がり、なかなか折れません。

枯れ枝 と 生きた枝 のちがい。
歯にも、こんな違いがあるように思います。

根管治療する歯は、もともと削られていて、歯の質が薄くなっている事も一因でしょう。
無傷の歯でも、食いしばりで割れることがあるのですから、
歯の質が薄くなっている、神経のない歯は、より割れやすいでしょう。

ですから、根管治療後の歯に、強い力をかけたくありません。
ぜひ、この様なマウスピースで、歯が割れるのを防ぎましょう。
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  • 09
  • その他

根管内は、真っ暗

根管の直径は1mmあるかないか。
根の先端は、歯の先端から、2cmくらい奥にある。
だから、見えない。
手探りで治療していたというのが、現実でした。

マイクロスコープ(顕微鏡)では、直線的な根では、根の先まではっきり見る事ができます。

ラバーダム防湿をするのが面倒

ラバーダムの日本での使用率は5.4%という報告もあります。
(根管処置におけるラバーダム使用の現状。日歯内療法誌,24:83-86,2003. )

以上から、当院の根管治療では、全工程において、

ラバーダム防湿とマイクロスコープ(顕微鏡)を必ず使い

心理的配慮を行いながら

痛くなく

細かく根管治療するよう努力しています

たまにはダメな事もありますよ

顕微鏡とラバーダムを使えば、根管治療は100%大丈夫とは申し上げられないのです。すみません。
たまには、「この歯は使えません」という結果になる事もあります。

歯にひびが入って、割れ目が沢山ある

根の壁に大きな穴が開いている

根が折れている

虫歯がひどすぎて、健康な歯の部分が少ない

など、歯が使えない場合もあります。

人間の体の事なので、個人によって色んな場合があり、うまくいかない事も正直言ってあります。
画一的な機械の部品と違い、パーツを取り換えたらOKというわけには、いかない事も多いですね。
色々頑張って、ダメだった場合は、ごめんなさいね・・・。
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