Periodontal disease
歯周病

歯周病治療の症例
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歯周病の程度も様々で、それぞれ治療法も変わってきます。
以下にそれぞれの症状をあげていますので御覧ください。

  • 01
  • ひどい歯周病

ひどい歯周病の治療1 <歯を抜かない・矯正治療併用> 50代男性

初診時 H19年2月

■赤い色の歯周ポケットが多く、全体的に歯周病がひどい事が分かります。79%約8割の歯周ポケットが、4mm以上の歯周ポケットである重度な歯周病です。健康な場所は、21%しかありません。4-8mmの歯周ポケットが、前歯も奥歯もお口全体に広がっている事を示しています。
■この赤色で示す深い歯周ポケットの意味は、歯の根(歯根)の長さは10数mmですから、歯根の2/3程度が歯周病に侵されているという事です。歯周病がひどいため、口臭もあったと思われます。
治療はとても緊急を要する状態です。早く直さないと多くの歯が歯周病でグラつき、抜けてしまうでしょう。
治療はとても難しくなります。単に歯石を取るだけでは、この様な歯周病は治す事はできません。ご本人さんの歯周病を治したいという強いご意思があったので治療を進める事ができました。噛み合せなどの色んな原因をひとつづつ除去し、結果を見ながら治療を進めていく必要があります。

7年6か月後 H26年9月 メンテナンス中

歯を抜かずにひどい歯周病を治す事ができました。97.5%の歯周ポケットが、3mm以下の歯周ポケットとなっているという良好な歯茎を得る事ができました。 ご本人様もとても頑張って治療なさいました。治療前と比べるとずいぶん良くなりましたね!!!本当に良かったと思います。
今回の治療は歯茎の手術や矯正も行っています。歯並びの矯正もしてきれいな歯並びになりました。
矯正の意味は、歯並びをきれいにするという事だけではありません。歯にかかる力は、食べ物を噛むだけでなく病気の歯にとっては、歯を悪くする力として、働く事があります。矯正治療は歯にかかる力をできるだけ適正にし、歯周病の改善に重要な役割を果たします。
これでメンテナンスを続けていけば、歯が長持ちするようになったと思いますし、口臭の心配もないと思います。奥歯に一部だけ、4-5mmの歯周ポケットが残っていますので、メンテナンスを続けて、継続管理していきましょう。

ひどい歯周病の治療2 <歯を抜かない・手術しない> 50代 男性

初診時 H22年10月

他院での治療に疑問をお感じになり、当院にお越しになった方です。
6mm以上の歯周ポケットが11か所も奥歯にあり、とてもひどい歯周病です。
4-5mmの歯周ポケットは、お口全体に広がっています。
前歯によくない詰め物が沢山あり、そこにバイキンがたまり、歯周病の悪化の一因となっています。口臭の心配もあります。
前歯にも5mmの歯周ポケットが多数ありますから、早く治療を行わないと、前歯を失う事にもなりかねません。
6mm以上の歯周ポケットの治療は、かなり難しいものになります。虫歯治療など、すべての治療をやりかえ、清潔なものにする必要があります。

3年8か月後 H26年6月 メンテナンス中

1本も歯を抜くことなく、歯周病の手術をしないで、歯周病の治療ができました。
92%の場所で、4mm未満の歯周ポケットにする事ができました。ほぼ歯周病の進行を抑える事が、できたと思います。
ご本人さんは、とても治療を頑張ってなさいました。色んな知識や技術をみにつけ、日頃のお手入れも頑張っておられます。
治療前と治療後の写真を比べても、治療後のお口は、とても清潔に見えます。よかったですね!
前歯に良くないコンポジットレジン充填が沢山ありましたので、これをやり直す治療は大変でした。
セラミックの冠も使っています。セラミックは、舌触りもツルツルで、お手入れもしやすいですね。
歯周病の治療は、手術はしていません。根面のデブライドメントという、根の表面の細菌や毒素を除去する方法で、歯周治療を行っています。
これでメンテナンスをしていけば、歯が長持ちするお口になり、口臭も心配ないと思います。1本だけ6mmの歯周ポケットが残っていますので、メンテナンスで継続管理をしていきましょう。

ひどい歯周病の治療3 <歯を抜かない・手術しない> 40代 女性

初診時 H19年2月

奥歯と前歯に歯周病が広がっています。特に右上の奥歯には、8mmの歯周ポケットがあり、かなり重症です。
このままでは、口臭もひどくなるかもしれません。
上の奥歯は、根が3つに分岐していて、そこに8mmの歯周ポケットがあると、治療はかなり難しいものになります。
この方は、虫歯治療は少ないので、歯周治療を頑張ったらいいですね。

2年後 H27年9月 メンテナンス中

歯を抜かないで、歯周病の手術もしないで、ひどい歯周病の改善ができました。
この方は、上下左右の親知らずがあります。親知らずがあるからといって、全て抜く必要はありません。
周囲の歯の虫歯や歯周病の要因になる場合は、親知らずは早期に抜歯なさった方が、好ましいと思います。
この方の様に、親知らずでも、まっすぐ生えていて、ちゃんと噛むことができて、周囲を汚す原因になっていないなら、親知らずはそのまま使えます。
治療後の写真を見ても、お口の中がとても清潔に保たれているのが分かります。もちろん口臭もありません。ご自身の日頃の努力のたまものですね。素晴らしいと思います。
一部に、4mmの歯周ポケットが残っていますので、継続してメンテナンスを続けていきましょう。

ひどい歯周病の治療4 <歯を抜かない・手術しない> 30代 女性

初診時 H22年5月

奥歯に8mmや7mmの歯周ポケット、前歯に5mmの歯周ポケットがあります。
奥歯の歯周ポケットが8mmですから、治すのが難しいなあと、素直に思います。
虫歯は少ない方ですから、歯周治療を中心に頑張って治療したらいいですね。

5年3か月後 H27年8月 メンテナンス中

歯を抜かないで、歯周治療の手術もしないで、健康な歯茎を取り戻す事ができました。
歯並びが、少し凹凸なので、お手入れが難しいと思いますが、上手に清掃をなさっておられます。
これで、将来の歯周病の心配がなくなったと思います。良かったですね!

ひどい歯周病の治療5 <抜歯・手術・噛み合せ治療を併用> 50代 男性

初診時 H20年8月

この方の歯周病は特別です。垂直性の骨欠損があるタイプの歯周病です。
歯周病は、歯茎と歯の間の歯周ポケットが化膿し、歯を植えている歯槽骨が溶ける病気です。
歯槽骨が溶ける事を、骨吸収と呼びます。骨吸収には、2通りあります。水平性と垂直性です。骨吸収でなくなった歯槽骨の部分を、骨欠損と呼びます。
この方の歯周ポケットは、垂直性の骨吸収が多いのです。ある一部分だけ、とても深い歯周ポケットがあるというタイプです。
深い歯周ポケットがあるのは、主に犬歯と一番奥の臼歯である事がわかります。ある一定の歯に集中している歯周病の原因は、噛み合わせの力ではないかと思われます。
夜中の歯ぎしりも関係しているかもしれません。
24番はすでにグラグラでしたから、抜歯になっています。
長期的に歯を持たせるにはどうしたらよいか考えながら、治療の進み具合を見ながら、患者さんと相談しながら治療を進めていきます。

7年1か月後 H27年9月 メンテナンス中

左6番から右6番まで、噛む場所を作る事ができました。これで、お食事に困る事はないと思います。
噛み合わせの調整も行い、一応、食べ物を噛む場合には、安定した力で行えるようになったと思います。
この方の10mmや12mmの歯周ポケットがある歯周病は、通常の歯周治療や手術では、治りませんでした。歯茎から膿が出て(排膿)、歯周病の改善が見られないのです。
歯周ポケットからの排膿を、そのままにしておくと、内部では骨が溶け、隣の歯の骨まで溶かされてしまい、隣の歯まで存続が危うくなります。
そのため、ある時期、思い切って、歯周病の連続を断ち切る必要があります。
患者さんとよく相談し、歯周病を終わらせる、思い切った治療を行うことになりました。よい歯だけを残し、その歯を使って、噛み合わせを作っていくという、大掛かりな治療です。
幸い、治療は成功し、健康な歯茎を取り戻し、7年が経過しています。
大きな決断をして、本当に良かったですね!長期の治療も、本当に頑張られました。お疲れさまでした!
メンテナンスして、歯を長持ちさせましょうね。
  • 02
  • 中程度の歯周病

中程度の歯周病の治療1 <手術併用> 60代 男性

初診時 H19年2月

上の歯に、4mmの歯周ポケットが分散して見られます。
一部の歯には、8mmの歯周ポケットもあります。
歯周病は、この程度の比較的、重症でない歯周病のうちに治しておくのがいいと思います。
部分的に5mm8mmなど、深い歯周ポケットがありますから、歯周手術を併用した方がいいかもしれません。

7年11か月後 H27年7月 メンテナンス中

歯周ポケットは、安定傾向にあります。
歯周治療は基本的な歯周治療に加え、部分的に手術を行っています。
修復物はメンテナンスの間に、一回、どこかをやりかえましたね。とは言え、約8年、大きなトラブルもなく、順調に過ごせています。
これからも、メンテナンスをして、歯を長持ちさせましょう。

中程度の歯周病の治療2 <歯を抜かない・手術しない> 40代 女性

初診時 H19年2月

40代、そろそろ、歯周ポケットに5mm,6mmが出てきました。
一部の歯だけ、急速に6mmの歯周ポケットが進んでいる事がわかります。こういう場所は、なるだけ早く治療しておきたいものです。

5年1か月後 H27年8月 メンテナンス中

5年後、歯茎は、おおむね良好に保たれています。
37番だけ、6mmの歯周ポケットがありますから、気を付けて、メンテナンスしていきましょう。
治療が、もう少し早かったらと思いますが、このタイミングでできたので、よかったと思います。

中程度の歯周病の治療3 <歯を抜かない・手術しない> 40代 女性

初診時 H23年5月

歯周ポケットが、4mm5mmが散在しています。虫歯も多少ありました。

4年後 H27年5月 メンテナンス中

4年後でも、おおむね健康な歯茎を保てています。H23年の状態でずっと過ごしていたら、こんな良い歯ではなかったかも知れませんね。
治療は、虫歯もあったため、結構期間が必要でした。お疲れさまでした。
一緒に治療できて、とても楽しい方でした。ありがとうございました!

中程度の歯周病の治療4 <歯を抜かない・手術しない> 60代 男性

初診時 H23年7月

一部の歯に、9mmや6,7mmといった歯周ポケットが見られます。
ほとんどの歯の歯茎は、健康な歯茎です。
60代でも、こんな丈夫な歯茎ですから、歯周病が改善したら、歯に関する大きな心配はなくなるのではないでしょうか?

4年後 H27年7月 メンテナンス中

ほぼ健康な歯茎になりました!
前歯に1か所だけ、6mmの歯周ポケットが残っています。これは、ちょうど歯並びが悪くなっている場所です。日々のお手入れを頑張りながら、メンテナンスで長持ちさせましょう!
  • 03
  • 歯周炎

歯肉炎の治療1 60代 女性

初診時 H19年2月

奥歯に4mmの歯周ポケットが、数か所見られます。
この様な軽い歯周病の状態でお越しいただくと、良い治療の結果が確実に得られますので、とても助かります。

3年6か月後 H27年10月 メンテナンス中

約4年後ですが、大きなトラブルもなく、比較的健康な歯茎を維持できています。
虫歯治療はセラミックで行っています。セラミックは、ツルツルの舌触りですから、とても表面が滑らかです。汚れも付きにくく、また、付いた汚れを落としやすくなっています。
47番の後ろ側に、8mmの歯周ポケットがあります。
ここは親知らずとの関係で、こういう深い歯周ポケットがのこりやすい場所です。当院で勉強なさった、特別なお手入れ方法をご活用くださいね。
歯の心配がなくなって良かったですね!これからもメンテナンスをして、歯のトラブルを防ぎましょう!

歯肉炎の治療2 30代 女性

初診時 H24年7月

一番後ろの歯に歯周ポケットがあり、歯周病が始まっているようです。
37番の後ろ側にある、8mm の歯周ポケットは、親知らずがあるために生じていると思われます。

3年2か月後 H27年9月 メンテナンス中

約3年後。下の左右の一番奥の歯以外は、健康は歯茎が保たれていますね。
下の7番の後ろ側は、親知らずがあるために、こういう事が起こりやすいなっています。メンテナンスをしながら、進行を防ぎ、歯を守っていきましょう!
  • 04
  • 健康な歯茎を維持できた方

健康な歯茎を維持できた方1 40代 女性

初診時 H25年3月

歯茎はとても良い状態で、ご来院なさいました。
虫歯が多いので、頑張って治療しましょう!

7年6か月後 H26年9月 メンテナンス中

約3年後です。とても健康な歯茎です。
虫歯の治療は沢山ありましたが、最後まで完了なさいました。お疲れさまでした。
写真でみても、お口が清潔な事が、よく分かります。歯がピカピカ光っていますから。
早めにレベルの高い歯の治療を終え、歯の心配がなくなって良かったですね。これからも、メンテナンスをして、歯を大切にしていきましょう!

健康な歯茎を維持できた方2 20代 女性

初診時 H25年4月

お若いので、歯茎はとても良い状態です。
こんな健康な状態で、お口を守るノウハウを学び、治療を受けておけば、歯は長く使える事まちがいなしですね。

2年8か月後 H27年9月 メンテナンス中

約3年後。ほぼ、問題なく、健康な歯茎を保てています。
1か所だけ、4mmの歯周ポケットが見られますからピンポイントで注意してきましょう。
これからも、メンテナンスして、せっかく得た歯の健康を守っていきましょう。

健康な歯茎を維持できた方3 40代 男性

初診時 H23年6月

歯茎も虫歯も、きっちりと治療なさった方です。何事も早めに対象なさる、とても几帳面な方です。
この様な比較的問題の少ないうちに、ご来院頂いたので、比較的軽い内容で、治療を終える事ができました。

4年2か月後 H27年8月 メンテナンス中

4年後ですが、とてもご健康です。
恐らく、今後、虫歯などできる事なく、歯茎も健康なままで、過ごせると思います。
一緒にメンテナンスしていきましょう。
  • 05
  • 歯周病の再発が危ぶまれる方

歯周病の再発が危ぶまれる方1 40代 女性

初診 H23年6月

過去に歯並びの矯正をなさっておられます。
歯茎は、とても良い状態でした。虫歯や、ブリッジなどの治療が主体になります。

2年3か月後 H25年9月 メンテナンス中

4年3か月後 H27年9月 メンテナンス中

2年後に、少し歯周ポケットができ始めました。
最近どうされました?歯茎の悪化を防ぐのは、まだ間に合います。
メンテナンスにお越し頂いているので、歯茎の状態を知り、早めに対応する事ができます。なんとか、歯の健康を守っていきましょうね。
  • 06
  • その他

口臭のもと、歯周病・歯槽膿漏治療 薬併用可

歯は、年齢で自然に悪くはなりません

年で悪くなったと思っていたのは、歯周病という病気で悪くなっていたのです。
爪や目・耳・手足が、年で自然に抜け落ちる事はありません。
歯も同じです。あなたと共に年を重ね、寿命を全うするのです。

口臭のもと、歯周病や歯槽膿漏の治療は、現状と原因の分析から

詳細な検査が必要

歯周病(歯槽膿漏)は数種の原因が同時に関わっている事が多く、診断も治療も難しいものです。

現状分析

まず、健康な歯周組織がどの程度残っているか、どの程度破壊されているかを、詳細に知る必要があります。

原因の分析

次に、組織の破壊を引き起こした原因が何であるかを分析する必要があります。

治療計画の立案

以上を3回の検査の中で行います。

口臭のもと、歯周病や歯槽膿漏の検査

デンタルドッグとして、下記の検査を行います

1)歯肉の炎症、結合組織の破壊の程度
 (レントゲン、歯型、歯周ポケット測定、動揺度、出血など)
2)直接因子のプラーク、プラーク増加因子の有無
 (歯石、不良補綴物、歯列不正など)
3)咬合性因子の有無
 (中心位での早期接触、側方運動時の咬合干渉、歯ぎしり、食いしばりなど)
4)その他、全身性因子の有無など
5)位相差顕微鏡による歯周病菌の観察

口臭のもと、歯周病や歯槽膿漏の治療

治療は、上記歯周病因子の除去治療が主になります

歯根からの毒素除去・滑沢化と、薬(抗生剤)の併用が効果的な場合もあります。
ご希望でしたら処方いたします。
その場合、薬(抗生物質)は、原因菌によって選択します。

薬1(マクロライド系抗菌剤)

アジスロマイシン(商品名ジスロマック)
アジスロマイシン水和物は、細菌のタンパク質合成を阻害する抗菌薬です。
マクロライド系は静菌的効果に加え、バイオフィルムを溶かす効果があると言われています。
インフルエンザ菌、肺炎球菌、レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、などの病原細菌に効力があり、一般には呼吸器や皮膚、耳鼻などの感染症で用いられています。

薬2(ニューキノロン系抗生剤)

レボフロキサシン(商品名クラビット)
レボフロキサシンは、細菌のDNA複製を阻害する抗菌薬で、殺菌的効果があります。
ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、腸球菌、など広範囲の病原細菌に効力があり、一般には呼吸器、腸管、胆道、泌尿生殖器、皮膚、目、耳、鼻などの感染症に広く用いられます。
オフロキサシン(合成抗菌剤)の活性部分のみの構造を持つ薬でオフロキサシンの2倍の効力を示します。